第2回 本当に開運できるパワースポットの見つけ方 -中編- 美姫村先生
パワースポットの力で宝くじに当選するのは無理
通常、私たちは日常生活の中で様々な悩み事や大小のトラブルを抱え、その思念と感情はグジャグジャに入り乱れています。感情が乱れるために思考も乱れ、それが原因で問題に対する対処法を誤り、さらなる泥沼にはまり込んでいく~これがいわゆる不運の連鎖です。
一方、パワースポットで良い作用を受けると、それまでバラバラに拡散していた思念と感情が大きなひとつのまとまりとなります。しかも全体としてポジティブな方向へシフトしていきますので、自分が直面している問題や悩み事の本質が自ずと見えてきて、しかもそれに対する適切な対処法、解決法も自然と思い浮かんでくるわけです。
心に思うことは必ず実現するという言葉がありますが、心が乱れていれば乱れた現実に直面しますし、逆に整然としていれば申し分なく整った環境に身を置くことができるのです。自分を取り巻く環境が整い、進むべき方向が分かり、さらにそこにひとつに収束した意志の力が加われば、仕事にしても恋愛にしても事が上手く運ぶのは自明の理です。
以上述べましたように、神様や仏様が天から自分の姿を見下ろして、超常的な力で助け船を出してくれるというわけではありませんので、パワースポットを訪れた途端に思いもよらない幸運に恵まれたり、宝くじに当選したり、という夢を見るのは土台無理な話なのです。
ブームの裏側で悪念が聖地を汚している!?
「ここに来ればすぐに結婚できるとか、宝くじに当たるとか、ネットか何かで無責任な記事が書かれたらしくて。とにかく以前の倍以上の人数が毎日押しかけるようになっちゃったんです。神社の名前が多くの人に知られることは嬉しいのですが反面、心中は複雑なものがありまして……」
そんな風に嘆いていたのは、中部地方の某所に住む私の知り合いの男性です。彼は職業霊媒ではないのですが、生まれ持った霊感を使って無料同然で人の悩み相談に乗っているという誠に奇特な人物で、その住まいは某神社の近辺にあります。本人の家は代々そこの氏子で、毎朝参詣して境内の御神気に触れながら、霊感パワーを充填することを日課にしていたそうなのですが、ある時からそれができなくなったと言っていました。その神社は知る人ぞ知るパワースポットとして有名な場所だそうなのですが、ネットや雑誌のスピリチュアル系の記事で取り上げられたことが原因で、従来の御神気が変質してしまったとのことです。
「いつの間にか参詣した人間の欲望の気が集まって、雲みたいになって渦巻くようになっちゃったんですよ。こうなるとパワーをいただくどころか変なモノを拾いかねないので、神様にご挨拶する時には十分用心しています」と、彼は冴えない顔色でそんなことを言っていました。私は直接、その神社へ伺ったことはないのですが、そういう出来事がありがちなのは以前から知っていました。
御利益目的の人間が集まることで神社や仏閣の気が汚れてしまうというのは、実はわりとよく聞く話なのです。もちろん土地が発する御神気なり仏様の気なりがその都度そうした邪気を浄化してくれますから、場の雰囲気が極端に荒れるということは少ないのですが、邪気の滞留と浄化には多少のタイムラグがあり、運悪くその狭間の時間帯にそこを訪れてしまうと、霊験あらたかなパワーどころか赤の他人が捨てていった残留思念を拾ってきてしまうことさえあります。
ですからすでにパワースポットの冠を付けられて有名になってしまった神社仏閣などに、開運目的で安易に訪れるのは良し悪しなのです。中でもここで祈願すれば宝くじが当たるとか、ギャンブルに勝てるといった即物的な御利益をうたった場所は要注意です。
美姫村先生(みきむら)
婚活系の情報サイトや雑誌記事から火が点いて、一挙に人気霊能者の筆頭に躍り出た美姫村先生。その血筋は遠く平安時代までさかのぼる由緒正しい神職の家系で、一族の中には歴史に名を残す陰陽師…
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